クラシック音楽で開閉感覚をマスターする

開閉感覚をマスターする為には、クラシック音楽の聴き比べから入ると効率が良いと思います。何故ならば同じ曲目で色々な演奏者の演奏を聴き比べることが出来るからです。あとで詳しく述べますが、音楽が「開」か「閉」かは作曲家や曲目によって決まるのではなく、演奏者によって決まります。演奏者による比較をする場合、曲目が違ってしまうと、慣れない内は自分にとって耳ざわりの良い曲目を演奏している奏者の方に高い評価を与えてしまいます。開閉感覚ではなく聴覚で判断を下してしまうのです。

経験上開閉感覚の講習時に、違う演奏者による同じ曲目で、聴覚だけで聴くと甲乙つけがたいが開閉感覚で聴くとかなり差のあるもので聴き比べを行なうと、平均的に毎回次の様な結果が出ます。

 

開閉感覚感覚について

説明前

開閉感覚感覚について

説明後

「開」の演奏を良いと答えた人    50% 80%以上
「閉」の演奏を良いと答えた人   50% 20%以下

開閉感覚について前述した様な説明を受けただけで、80%以上の人が開閉感覚を正しく使えたということになります。

音楽を聴き比べる

そこでまずこのホームページ上で「開」と「閉」の音楽の聴き比べをしていただきましょう。ピアノ、ヴァイオリンそしてオーケストラのそれぞれについて同じ曲目の同じ部分で「開」と「閉」の演奏を用意しました。「開」と「閉」の違いが分かる様になるまで演奏の聴き比べを行なって下さい。

    クリックして下さい→ 「開」と「閉」の音楽の聴き比べ

このページの音楽ファイルを聴くにはMP3プレーヤーのインストールが必要です。 インストールされていない方はまずインストールして下さい。インターネットで無料ダウンロードが出来るサイトがあります。

このサンプルでの判別に確信が持てる様になったら、手持ちのCDの中に同じ曲目で違う演奏家によるものがあればそれで聴き比べてみましょう。聴き比べをしていてはっきり判らなくなってきたら、このホームページのサンプルと聴き比べて下さい。少し慣れれば曲が違っても肌での聴き比べは出来る様になっている筈です。

開閉感覚による音楽の聴き比べの予備知識

色々な演奏の聴き比べの訓練を効率化するために、予備知識を列記しておきます。

  1. 音楽が「開」か「閉」かは演奏者によって決まる。
  2. 「開」も「閉」もそれぞれの中で更にステージ分けすることが出来る。(後述)
  3. 国際的に一流とされる演奏家達の中に強い「開」の人が多く見られる。
  4. しかし中には強い「閉」の演奏家もいる。
  5. 従って知名度、人気、コンクール歴、出しているCDの枚数、専門家による評価等の先入観によって影響されぬ様注意する。
  6. 演奏技術、音色、音楽的表現力等も無視してかかる必要がある。結果的に開閉と無関係ではないが、例えば音色や表現力が素晴らしいので「開」になる、あるいはテクニックが優れているとか曲の解釈が正しいから「開」になるということはない。
  7. 交響曲は指揮者、協奏曲はほとんどの場合独奏者、室内楽はリーダー格の奏者によって「開」か「閉」かが決まる。

下記の要因は演奏者から聴衆へ伝えられる「音楽の大きさ」を決定するもので、「開」か「閉」かの決定要因にはならない。

  •  演奏者と聴衆との相性。同じ演奏者の演奏がある聴衆にとっては「開」だが別の聴衆にとっては「閉」ということは起こらない。演奏者の開が強くなるほど相性の作用は少なくなる。
  • 音楽のジャンル、作曲家、曲、楽器等と演奏者との相性。例えばヴィオラが本命の演奏者がヴァイオリンを演奏している場合は、聴衆に伝えられる「音楽」は小さくなる。
  • 音楽のジャンル、作曲家、曲、楽器等と聴衆との相性。強い開の演奏を聴いても、その音楽の種類を聴衆の体が必要としていない時は伝わる「音楽」は小さくなる。

 数多く聴き比べて行くと上記の「開閉感覚による音楽の聴き比べの予備知識」に書かれている一つ一つが事実であることを納得されるでしょう。

「特に良い演奏」によって絶対的感動が生ずる

開閉感覚で音楽を聴く習慣が付いてくると、曲目に関係無く特に良い演奏(後述の「開S」)を聴くと体の中から前述した絶対的な感動、無条件の感動が生じて来るのに気が付くでしょう。この感動が生じる様になれば、開閉感覚は一応身に付いたと言えます。

何故特に良い演奏によって絶対的な感動が生じるのか説明しておきましょう。音楽が演奏されている時、演奏者と聴衆との間に同調現象が生じます。即ち聴衆が聴覚で演奏者の作り出している音に集中すると、演奏者と同じエネルギー状態に導かれます。特に良い演奏をする者は「特に開」の状態にあります。このことは演奏者自身が「全体」にしっかり調和しているということです。その演奏を聴いた聴衆もそれと同じ状態になり、都会生活による「閉」から解き放たれ、大自然の中にいる時の様な「特に開」へと強く導かれます。聴衆の全身に神経が正常に働き始め、生気が蘇って来ます。そして毛穴は開かれ全体との一体感を取り戻します。我々の本体である懐かしい全体との一体感、それが絶対的な感動を生じる源泉となります。

※ここで使う「全体」という言葉は、我々の体がその一部である全体のことで、宇宙、大自然と同義語です。

「特に開」の演奏者は自分自身が全体にしっかり調和しているということですから、演奏者自身が強い絶対的感動の状態にあります。演奏者が感動しているので聴衆もそれに同調して感動する、と解釈することも出来ます。

音楽演奏によって生ずる一般的感動(相対的感動)と絶対的感動との相違

この様に、ここで言う「感動」は一般に「音楽を聴いて感動する」と言った場合にイメージされる「感動」とは異質のものです。その相違点を一覧表にまとめておきます。

  一般的感動(相対的感動) 絶対的感動
媒体 音(音波) 我々の体がその一部である全体(振動)
受容器 皮膚の内側面
発生源 曲の旋律、演奏者の表現力等 演奏者の「開」

感動が生じるのに要する演奏を聴く時間 

最低でも1フレーズ聴かないと生じない 瞬時(聴いた瞬間に生じる)
特徴 興奮を伴う、感情を掻き立てる 安心感を伴う、落ち着きをもたらす
食べ物に例えると 味が美味しい 栄養がある
ヒントになる日常生活上の心境  

魅力的な異性に出会った時

ゲームをしていて楽しい時

宝くじに当った時

宿敵に勝った時の感動

 ほっとする、気にならない人に出会った時

任務を全うしてほっとした時

道に落ちていた財布を交番に届けた時

人との間の誤解が解けて和合した時

   音楽演奏のランク

音楽演奏は「開」と「閉」に分かれるだけでなく、下記のランクに分かれます。。

このランクはこちらの方法で確認することが出来ます。

※「体に同調」「心に同調」については「良い音楽の演奏法」「音楽革命」の章で解説します。

※音楽を演奏するにあたって、演奏者が体=全体に同調しているか、心=個(自我)に同調しているか、その程度・割合によって上記のステージが出来てしまいます。

 上記のステージ分けは下記の特性を持っています。

  1. 各ステージにはっきり分かれており、ステージ間の中間的存在は無い。
  2. ランクは自然のままでは生涯変わらない。
  3. 但し演奏者が自らのエネルギー状態を変える為の体と気の操作を行なえば、容易に向上することが出来る。

       次章の「良い音楽の演奏法」でステージを向上させる方法を解説する。

       技術レベルの向上の様に、練習を積み重ねれば向上するというものではない。

  4. 聴衆にとってエネルギーレベルのはっきりした効果や絶対的感動を期待出来るのは「開B」以上である。

「開」と「閉」の音楽の現象面での違い

 開閉感覚を起動した聴衆にとっての「開」と「閉」の音楽を聴いた時の現象面での違いを一覧表にまとめておきます。

 

「開」の音楽

 「閉」の音楽

心  ほっとする、安心する、落ち着く 緊張する、不安になる、落ち着かなくなる
体   快調になる  不調になる
感動  絶対的感動がある、喜びがある 一時的感動、喜びが無い

広がりがある、生きている

音が体の中で聞こえる

小さい音でもよく聞こえる

大きい音でもうるさくない 

広がりが無い、機械的である、重苦しい

音が演奏者の所で聞こえる

小さい音がよく聞こえない

大きい音はうるさい

表現  自然、深みがある  乏しかったり、わざとらしい、軽薄

             

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