開Sは人間本来の姿

音楽演奏はそれを聞く人の体の安心~緊張の度合いによって開S、開A、開B、開C、閉C、閉B、閉Aのステージに分けられます。(ステージの確認法はこちら) 聞く人を一番安心に導くのは開Sです。

開Sの演奏は人間が本来の居場所に”降りて”演奏することによって生み出されるものです。即ち開Sは人間が本来の姿です。従って”ランクが高い”という意味合いではありせん。

開Sの演奏は聞いていて心地よく、そしてせせらぎや波の音を聞いているがごとく、何度聞いても飽きない、又聞きたくなる、という特徴があります。音は外から聞こえて来るのではなく体の内側で響き、大きな音はうるさくなく、小さい音はよく聞こえます。そしてその最大の特徴は絶対的感動が生ずることです。この感動は願いが叶った時に生ずる心の興奮を伴った感動ではなく、心が鎮まり本来の自分を取り戻す、安心感を伴った感動です。

このことは一般人、とくにクラシックに今迄興味の無かった様な人たちは比較的容易に理解出来ます。一方クラシックの専門家の人達は演奏する立場で音楽を聴く習慣があり、この聴き方をしている間は自分自身の体の反応には意識が行きませんので、理解し難くなる傾向があります。でもそういう人たちでさえ、開Sの演奏を聴いていると体は開Sになります。太陽が輝いている時、体はいやでも陽を浴びることになります。

開Sの演奏家が”全体の一部としての自分”に成り切った状態ですべてを表現した時に開SFになります。

開SFの演奏を聞くと人は花に戻る

人間一人一人も本来は花

木々に囲まれた自然豊かな高原において、ひと際目立つのは美しく咲く花です。それを見る人は内から感動が生じ、体の緊張が取れて癒されます。花は生きる喜びに溢れており、それを見る人も同調して喜びが生じます。

人間を除く動物たちを見る時にも、それらを見る時に自分自身の体の反応に良く集中すると、内から感動が生じ、体の緊張が取れて癒されていることに気が付きます。それ故多くの人達は家でペットを飼います。自我に支配されず、自然のままに生きている動物たちも花なのです。

生まれて間もない赤ちゃんも、それを見る人は内から感動が生じ、体の緊張が取れて癒されます。人間も本来は花だということです。

五感に支配されると花ではなくなる

二歳になると周りの大人たちに倣い、五感で捉えられる物に気を取られる様になって体が緊張し、生きる喜びには蓋がされて見えなくなり始めます。そして決して満足を得られることのない次元のものに価値観を置く大人に育って行きます。

人間はいつでも花に戻ることが出来る

しかしながら生きている限り、その生命に意識を置くことが出来れば自ずと喜びが生じ、花に戻ります。

開閉感覚ではこの状態を開SFと呼びます。

花に戻る方法

人間は以下の状況の時には花に戻っています。

  1. 花を見ている時
  2. 動物を見ている時
  3. 乳児を見ている時
  4. 開SFの演奏家の演奏を聞いている時(音楽に限らず、開SFの人間の作品に同調している時)

そして上述のⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳの状況で自分が花になった時の体の状態を印象をしっかり捉え、それ以降もその状態に体を維持することによって、自分を花にすることが出来ます。音楽演奏をはじめとする芸事やスポーツ、あるいはその他の日常的な仕事でも、開SFの状態を維持しながら行っていると身に付きます。

演奏者は誰でも容易に開SFになれる

演奏技術の習得と違って演奏者が開SFになるのは容易で、また普通は一旦開SFになれば以前の状態に戻ることはありません。そして以下に述べる通り、開SFになることは”百利あって一害なし”です。

開SFの演奏者になる価値

  • わざとらしく肩で歌う演奏から、重心が下がって自然な演奏に変わります。
  • 全身に神経が行き渡るので、腱鞘炎をはじめとする演奏家に特有とされる症状が出にくくなります。
  • 聞く人にとって”癒し効果”を超えた”治療効果”のある演奏になります。
  • 海外の人から上手だけれと音楽が無いと言われることが無くなります。
  • 大衆(クラシックに素人の人達)から喜ばれる演奏になります。
  • 演奏者自身が音楽を演奏する本当の喜びに気が付きます。

開SFの演奏者になる方法

演奏家が演奏技術を極めると同時に、”全体の一部としての自分”に成り切った状態ですべてを表現した時には開SFになっています。それを容易に実現出来る方法を述べます。

  • 上述のⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳのどれかに同調して、その時の体の状態を維持しながら演奏する。
  • 演奏の時に意識的に聴衆と一体になる。「聴衆と一体になった状態=全体の一部としての自分に成り切った状態」ということです。聴衆と一体になるコツは、治療家が患者さんを治そうとする時の様に、自分の演奏によって聴衆の体の緊張を知り除き、安心状態に導くことをありありとイメージしながら演奏することです。演奏中ずっとイメージし続ける必要は無く。演奏開始前に演奏態勢をその様にセットするだけでずっと維持されます。

開SFの演奏の特徴

  • 音は聴衆の体の正中で響きます。
  • 開SFの演奏を聞いている時は、手指を自然に組んでも反対に組んでも最高レベルの開が変わりなく維持されます。詳しくはこちら

開SFの演奏者は常に高い技術レベルを保つ努力が不可欠

栄養のある飲物でもそれを入れる器が不完全であれば飲む前にこぼれてしまい、十分に栄養を摂れなくなります。開SFでも技術的に問題があれば、聴衆に届く音楽は減少します。開SFの演奏者はその尊い音楽が聴衆に届く前にこぼれない様、技術的な完成度を高める努力が不可欠です。