途中の一場面を見ただけで面白い映画かどうか分かる

もう10数年も前のことですが、年末にテレビを見ていてチャンネルを変えていたら、見たことのないアクション映画の場面が現れました。ストーリーの途中の一場面だけで面白い映画かどうか分かる筈も無いし、途中から見て楽しめるかどうかも分かる筈が無いのですが、私はその一場面を見ただけで絶対に面白い、楽しめる映画だという確信を持てたのでそこから見始め、最後まで見続けました。それまでに見たことのある面白かった映画の中でもトップクラスのものでした。

後で分かったのですが、この映画は日本でもレンタルビデオ化されてシリーズ累計レンタル回数3億回という異例の記録を作った『24 -TWENTY FOUR-』のシーズン1(第1作)でした。この映画はシーズン8まであり、それぞれが24話{1話1時間}ずつあるのですが、それらのどれもが息つく間も無いドラマの展開で、見る人を最後まで見させてしまう魅力のある筋書きになっています。

映画の本当の魅力を決めるのはは筋書きではなく主演俳優の波動

この映画は確かに筋書きが特別に面白いのですが、一場面を見ただけで私を引き付けたのはキーファー・サザーランドという主演男優から発せられている波動です。音楽演奏で協奏曲の演奏ランクを決めるのは独奏者であるのと同じで、ドラマの場合は主演俳優によってその映画のランクが決まります。

映画の筋書きが分からなくても一場面を見ただけでその映画の価値が分かってしまい、そして映画の価値とは主演俳優によって決まるということです。ではストーリー以前のこの映画の”価値”とは何でしょう?

キーファー・サザーランドは開Bの俳優です。開Bの俳優が主演の映画を見るのと開Bの演奏者の演奏を聞くのと同じ価値があります。開Bの演奏を聞く価値については音楽演奏のランクのページでご確認下さい。筋書きが面白くても見終わった後に(良いものが)何も残らない開C以下の俳優の映画と違い、開B以上の俳優が主演する映画は見終わった後にも体にプラスの影響が残ります。

ちなみに開B軍団によって行われるプロのスポーツ競技を観戦する本当の価値は勝敗以前にここにあります。

音楽演奏 ~ しばらく聴いて分かる側面と瞬時に分かる側面

主に音楽の専門家達による音楽演奏に対する評価と、開Sとか開Bとか閉Cとかの開閉感覚による音楽演奏の評価の違いは、映画をストーリーで評価するか波動で評価するかの違いと同じです。音楽の専門家達はしばらくの間音楽演奏を聴き、どう弾いているかが分からないと評価出来ません。一方開閉感覚では、極端に言えばたった一音聴けばランク付け出来ます。

音楽の専門家達は音楽演奏を聞いて楽しむことが難しい

音楽の専門家たちはどういう弾き方をしているかという聴き方が習慣化されています。もし開Sの演奏と言う耳慣れない言葉を聴き、開Sとされる演奏を聞いたとすると、それまでの自分の評価基準ではどういう演奏をしているかに集中するでしょう。例えば作曲家が作った”ドラマ”を”正しく”演じているかという様な聴き方をします。ところがどういう演奏をしているかに集中した途端に感性は蓋をされますので、開Sとか開Bとか閉Cとかの開閉感覚の識別は不可能になります。従って音楽の専門家達は不幸にして音楽演奏、とくに自分の専門とする楽器の演奏を聞いて楽しむことが難しくなります。

音楽演奏は弾き方だけでは評価できない体への強い影響力がある

どういう弾き方をしているかという聴き方もあって当然なのですが、それだけですとヨーグルトにカビが生える、あるいは花がすぐに枯れる演奏かどうか、すなわち人の体の健康に関わる部分は無視されていることなります。(音楽は生命に重大な影響を与える参照) 音楽演奏は単なる精神的な癒しに留まるものではなく、演奏者次第で新型コロナウィルスでも不活化させるほどの影響力を持っています。従って音楽演奏のこの部分を無視して弾き方だけで評価するということは、音楽演奏の持つ力とそれがもたらす結果を無視した評価ということになります。

“栄養のある音”が聴く人の体にとって大切

例えば美味しい料理かどうかは主に料理法によって決まりますが、食べた人の体に良いかどうかは主に食材自体に含まれている栄養によって決まる様に、音楽演奏の場合も音がどの様に並べられているか以前に、音の一つ一つに”栄養”があるかどうかということが、聴く人の体にとっては一番大切なことになります。

“栄養のある音”は絶対的感動をもたらす

そして更に、音の並び方ではなく、”栄養”のある音自体によって絶対的な感動が生じます。ショパンの様な絶妙な音の配列を耳にすると感動が生じますが、聞き終わればすぐに消えます。一方”栄養”のある音からは、旋律に拘わらず音の一つ一つから安心感を伴った理屈抜きの感動が生じ、しかもその感動は印象としてしっかりと体に残ります。(参照:良い音楽の聴き分け方のページの中程の「音楽演奏によって生ずる一般的感動(相対的感動)と絶対的感動との相違」)

絶対的感動は体で演奏することによって生み出される

この感動を運ぶ”栄養”のある音は心ではなく体で演奏することによって生み出されます。プロ野球の”ミスター”こと長嶋茂雄氏がジャイアンツの打撃不振な選手に対して”腰を使って打ちなさい”と必ずアドバイスします。すなわち体全体を使えということですが、音楽演奏においても同じことが言えます。(参照:良い音楽の演奏法)

体に良い音楽演奏かどうかは体で聴けば分かる

音楽演奏のその様な人の体に及ぼす影響はいくら耳を澄ませて聴いても分かりません。音楽演奏を耳だけでなく体で聴く、即ち自分自身の体が安心しているか緊張しているかに注目すれば感覚することが出来ます。(参照:良い音楽の聴き分け方)